幻想の延長で、創られた奇蹟の偶像。
2007年9月11日前回続き、香奈子と良雄のあっとほーむな会話。
(にこやかに笑う良雄。寝室から出てくる香奈子)
「ああ、お早う。顔洗っておいで」
「……。朝っぱら血圧が低空飛行しそう…」
「何言っての?君の血圧が低いのは今に始まったことじゃないよ?」
「その原因がアンタだって気づかないのはどうしてなのかしらね。何なのそのエプロン」
「あ、可愛いだろ。この間買ったんだ」
「その乙女チックなエプロンを、三十にもなろうって男が、どうして嬉しそうに、自慢してるのかが、とーっても気になるの」
「僕に似合うだろ?羨ましい?香奈子」
「気持ち悪い。下の名前で呼ぶな。気持ち悪い」
「2回も言わなくてもいいのに…」
「てかさ。何でアンタがこの家にいるのかが不思議なんだけど。ここはあたしの建てた家よ」
「だって、先月は連続通り魔事件で忙しくて、離婚届も出せず仕舞いで、部屋の掃除も疎かにして、酷い状態だったじゃないか」
「仕事と掃除がどう関係あるの?」
「つまり、やっと犯人を検挙して、裁判も始まって、やっと落ち着いて、掃除しただろ?そん時に君が癇癪を起こして、そこらへんにある資料を一挙に捨てた。離婚届もその時に捨てたんだよ」
「……そんなこと、あったかしら?」
「あったの。お陰で資料が紛失したって、怒ってたじゃない。僕のせいにして」
「ああ、あったわね」
「だから僕は、ここにいて君と暮らしてる。夫婦だもの」
「それで朝から気持ち悪いエプロンなんかして、せっせと朝飯なんか作ってるわけ?」
「うん。コーヒー?紅茶?」
「…。コーヒー」
「今日はトーストとポタージュスープだよ。デザートはオレンジのシャーベット」
「…シャーベットだけ頂戴」
「最近食欲ないね?どうしたのさ、焼肉だって一人でばっくばく食べちゃうくせに」
「一言余計。…なんかね、食べたくないのよ。すぐ戻すし、何とか果物類は口に出来るんだけどね」
「なんか、妊娠してるみたいだね」
「ンな訳ないでしょ。………、まさか…ね」
「わっかんないよー。ヤる事はヤってんだしさ、ゴム着けてるとはいえ、あれって絶対安全って訳じゃないでしょ?」
「…何でアンタって、そーゆー事を臆面もなく言えるわけ?」
「香奈子ってそうゆうとこ可愛いよね。普段は鬼なのにね」
「下で呼ぶなって何度言えば…っ、」
(バタバタと洗面所に駆け込む)
「…、えーっとアレどこいったっけかなー?」
(洗面所から真っ青な顔をして戻ってきて)「…何してンの?」
「あ、大丈夫?」
「普通は、もっと心配そうな顔して言うもんよ。それこそ家捜しみたいな真似してじゃなくて、洗面所で背中を摩りながらね」
「だって、背中摩ったところでどうにもならないじゃない。あ、あった!」
「どうして家だと性格がこうも変わるのかな?…で、何が見つかったの」
「妊娠検査のヤツ」
「……………。バカ?今すぐ拳銃でアンタの事ぶっ放したいわ」
「まぁまぁ。いちおー、ね?ほら、早い段階で分かったほうがいいじゃない?」
「……。まぁ…この不調の原因が妊娠とは限らないし…どの道病院には行こうと思ってたし…でも、これやるの?」
「僕からのお願い、ね?」
「三十の男が乙女チックなエプロン着けて可愛らしく、お願いなんて気色悪い以外の何者でもない」
「うん。何でもいいから早く」(にこにことトイレまで香奈子の背中を押し)
「…くそー…何でこんな目に…」(嫌々ながらもトイレに向かい)
家と仕事のギャップがある(根本的には)忠犬的夫。
仕事はスーパーエリートでも家では普通の妻。
ってコンセプト。
(にこやかに笑う良雄。寝室から出てくる香奈子)
「ああ、お早う。顔洗っておいで」
「……。朝っぱら血圧が低空飛行しそう…」
「何言っての?君の血圧が低いのは今に始まったことじゃないよ?」
「その原因がアンタだって気づかないのはどうしてなのかしらね。何なのそのエプロン」
「あ、可愛いだろ。この間買ったんだ」
「その乙女チックなエプロンを、三十にもなろうって男が、どうして嬉しそうに、自慢してるのかが、とーっても気になるの」
「僕に似合うだろ?羨ましい?香奈子」
「気持ち悪い。下の名前で呼ぶな。気持ち悪い」
「2回も言わなくてもいいのに…」
「てかさ。何でアンタがこの家にいるのかが不思議なんだけど。ここはあたしの建てた家よ」
「だって、先月は連続通り魔事件で忙しくて、離婚届も出せず仕舞いで、部屋の掃除も疎かにして、酷い状態だったじゃないか」
「仕事と掃除がどう関係あるの?」
「つまり、やっと犯人を検挙して、裁判も始まって、やっと落ち着いて、掃除しただろ?そん時に君が癇癪を起こして、そこらへんにある資料を一挙に捨てた。離婚届もその時に捨てたんだよ」
「……そんなこと、あったかしら?」
「あったの。お陰で資料が紛失したって、怒ってたじゃない。僕のせいにして」
「ああ、あったわね」
「だから僕は、ここにいて君と暮らしてる。夫婦だもの」
「それで朝から気持ち悪いエプロンなんかして、せっせと朝飯なんか作ってるわけ?」
「うん。コーヒー?紅茶?」
「…。コーヒー」
「今日はトーストとポタージュスープだよ。デザートはオレンジのシャーベット」
「…シャーベットだけ頂戴」
「最近食欲ないね?どうしたのさ、焼肉だって一人でばっくばく食べちゃうくせに」
「一言余計。…なんかね、食べたくないのよ。すぐ戻すし、何とか果物類は口に出来るんだけどね」
「なんか、妊娠してるみたいだね」
「ンな訳ないでしょ。………、まさか…ね」
「わっかんないよー。ヤる事はヤってんだしさ、ゴム着けてるとはいえ、あれって絶対安全って訳じゃないでしょ?」
「…何でアンタって、そーゆー事を臆面もなく言えるわけ?」
「香奈子ってそうゆうとこ可愛いよね。普段は鬼なのにね」
「下で呼ぶなって何度言えば…っ、」
(バタバタと洗面所に駆け込む)
「…、えーっとアレどこいったっけかなー?」
(洗面所から真っ青な顔をして戻ってきて)「…何してンの?」
「あ、大丈夫?」
「普通は、もっと心配そうな顔して言うもんよ。それこそ家捜しみたいな真似してじゃなくて、洗面所で背中を摩りながらね」
「だって、背中摩ったところでどうにもならないじゃない。あ、あった!」
「どうして家だと性格がこうも変わるのかな?…で、何が見つかったの」
「妊娠検査のヤツ」
「……………。バカ?今すぐ拳銃でアンタの事ぶっ放したいわ」
「まぁまぁ。いちおー、ね?ほら、早い段階で分かったほうがいいじゃない?」
「……。まぁ…この不調の原因が妊娠とは限らないし…どの道病院には行こうと思ってたし…でも、これやるの?」
「僕からのお願い、ね?」
「三十の男が乙女チックなエプロン着けて可愛らしく、お願いなんて気色悪い以外の何者でもない」
「うん。何でもいいから早く」(にこにことトイレまで香奈子の背中を押し)
「…くそー…何でこんな目に…」(嫌々ながらもトイレに向かい)
家と仕事のギャップがある(根本的には)忠犬的夫。
仕事はスーパーエリートでも家では普通の妻。
ってコンセプト。
コメント