己が一振りの剣と知れ。
2007年8月20日「寂しいのですか?マスター」
「何だって?ナボ」
「脳波、表面表情、ここ一時間の、マスターの様子、総合しますと、寂しい、という感情の、状態に類似しています」
「壊れたのかい?」
「いいえ。自己診断プログラムに、異常はありません」
「ナボ」
「ハイ。マスター」
「昔、孤児院で育ったんだ」
「マスターの、思い出ですか?」
「思い出は過去のデータで、電気信号のパルスだよ。ごく短い周波の個の歴史だ。それを総じて思い出というファイルに閉じ込める。今のこの瞬間だけの短い電波さ」
「電波は、受信者が、いなければ、成り立ちません」
「空を描いたんだ。大人が好きなものを描いていいと言った。人間はいつから大人っていう人種に成り下がるんだろうね」
「一般的な、範疇では、20歳を超えると、社会人、として税金や選挙権を得られる、大人になります」
「誰が決めたの?」
「データーがありません」
「グレイの空を描いた。猫を、一匹、真ん中に描いたんだ。大人は上手に描けたと褒めてくれたよ」
「わたしには、意味が分かりません」
「それでいい。機械はプログラムされない以上の事に関知しない。それが正しい在り方だ。人間らしくロボットを作る研究者もいるけどね、あれは愚かだよ。ロボットは以上も以下もなくロボットでいい」
「今の会話を、記録しますか?」
「何の為に?」
「思い出の、為に」
「ナボは本当に、語彙が多くなった」
「それは、余計な事、ですか?」
「いいや。嬉しいね。ナボの語彙は誰によって構成されたのか不思議でならないよ」
「主に、マスターと、トーヤと、ヴィーに、よって構成されました」
「そうか。…で、何だっけ?」
「寂しいのか、とお見受けします」
「…後でウィルス検査をしよう。タチの悪いウィルスだ」
「ハイ。マスター」
「何だって?ナボ」
「脳波、表面表情、ここ一時間の、マスターの様子、総合しますと、寂しい、という感情の、状態に類似しています」
「壊れたのかい?」
「いいえ。自己診断プログラムに、異常はありません」
「ナボ」
「ハイ。マスター」
「昔、孤児院で育ったんだ」
「マスターの、思い出ですか?」
「思い出は過去のデータで、電気信号のパルスだよ。ごく短い周波の個の歴史だ。それを総じて思い出というファイルに閉じ込める。今のこの瞬間だけの短い電波さ」
「電波は、受信者が、いなければ、成り立ちません」
「空を描いたんだ。大人が好きなものを描いていいと言った。人間はいつから大人っていう人種に成り下がるんだろうね」
「一般的な、範疇では、20歳を超えると、社会人、として税金や選挙権を得られる、大人になります」
「誰が決めたの?」
「データーがありません」
「グレイの空を描いた。猫を、一匹、真ん中に描いたんだ。大人は上手に描けたと褒めてくれたよ」
「わたしには、意味が分かりません」
「それでいい。機械はプログラムされない以上の事に関知しない。それが正しい在り方だ。人間らしくロボットを作る研究者もいるけどね、あれは愚かだよ。ロボットは以上も以下もなくロボットでいい」
「今の会話を、記録しますか?」
「何の為に?」
「思い出の、為に」
「ナボは本当に、語彙が多くなった」
「それは、余計な事、ですか?」
「いいや。嬉しいね。ナボの語彙は誰によって構成されたのか不思議でならないよ」
「主に、マスターと、トーヤと、ヴィーに、よって構成されました」
「そうか。…で、何だっけ?」
「寂しいのか、とお見受けします」
「…後でウィルス検査をしよう。タチの悪いウィルスだ」
「ハイ。マスター」
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