君に。

2006年5月14日
伝え切れなかった。

後悔しても、後悔しきれない言葉。


最後の時に、僕は一緒にいたはずなのに。

どうしたって出なかった。

最後の杯を交わし、言葉を交わしたはずなのに。

酒に紛れて消えてしまった。

言葉。

あの時、言えていれば。
あの時じゃなくても、そのずっと、ずっと前でも伝えられたんだ。

臆病な僕は何も言えずに、ずっと、ずっとひた隠してきたんだ。

だって、君はいつも傍にいると思ったから。

永遠なんてどこにもないのに。
僕はそれを、誰よりも良く知っていたというのに…。

嗚呼、君に。

伝えたいことが、たくさんあったんだ。

見て欲しいもの、感じて欲しいもの。

数え切れないぐらい、たくさんあったんだ。

君に。

好きだ、と一言。

言いたかったんだ。


ねぇ、君はその土の下で僕を笑うかい?

いつもみたく、アホだって言うのかい?


君が土に埋もれる時、僕は心の中で何度も何度も、繰り返したよ。
伝えられなかった言葉。
伝わらなかった想い。
ザッ、ザッ、と単調な音を立てて君に土を降らせる。
隠れていく君の体や、顔。


「もう、お前の事なんて思い出すもんか」

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