単調なバイクのエンジン。

50ccなんてこんなモノ。でもそんな事は気にすべき事じゃあない。

風が気持ちいい。

大通りは人がひしめいてるけれど、そんな事すら気にならない。


だって、君が僕の後ろに乗っている。

それだけで、辺りの景色がいっぺんに変わる。


何だか、速度を上げたいよ。
この嬉しさのまま、宇宙に飛び出せそうだ。


残る点数は5っ。こんな所で捕まって、免許停止になったならこんな倖せを噛み締める事も出来ない。
だから、我慢しよう。

糖分よりも、今君が僕の後ろにいることが嬉しい。

一週間にいっぺんのパフェよりも、その腕が僕の腰に巻きついてる事のほうが重要だ。



え?
何か言った?

風が五月蝿くて、エンジン音が五月蝿くて、聞こえなかった。

ごめんね?もう一度言って?


あー。
そうね。あと5分後には特売サービスのお時間ね。


少しがっかりしたけれど、君の為にバイクを飛ばすよ。


免停なんかクソ喰らえ。

しっかり捕まっててね?
落としたりなんかしないけど、君が勝手に落っこちる可能性はあるんだから。


変な所でドジな君。
口煩くてお母さんみたいな、君。
特売サービスお時間を気にする、君。

そんな君、全部ひっくるめて好きだよ?


だから、今日は特別に甘いものを買ってくださいな。

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