戦場に。

2005年9月16日
短く、荒い呼吸。

互いの手には銃。



感情を排除しろ。

情に流されるな。

転がってる死体、次の瞬間には自分も同じになると思え。

常に、気を緩めてはいけない。


大丈夫。
アンタが教えた事、俺は守れているから。


銃は、柔らかく握り込む。

リボルバーなら、撃鉄を常に起こしてあるかを確認しろ。命取りになる。

標準をきちんと捕捉しろ。狙って、撃てないものなんか無い。


大丈夫。大丈夫。

グリップはきちんと掌で包み込んでる。
撃鉄は起こしてある。
俺の銃口はアイツを捕らえてる。

残る銃弾は一発。

大丈夫。狙えてる。
撃てないものなんか無いって教えたのはアンタだ。




「ようは、抗えるか?抗えないか?撃てるか?撃てないか?だ」



声は昔と変わらない。

生き抜け。
俺が叫んでる。

大丈夫。
アンタが教えた事は守ってるよ。

大丈夫。

俺なら、アンタを殺せるよ。


抗えるか?

抗ってみせるとも。
歯を食い縛って。でも掌は柔らかく。



撃てるか?

撃ってみせるとも。
撃鉄は起こしてる。銃弾は一発。殺せるよ。
大丈夫。
心配しなくても。
ちゃんと心臓を狙うから。


生キ抜ケ。

アンタが教えた事。
俺は忘れない。

戦場に。
置いてきたりなんかしない。

戦場に。
アンタの死体を置いてきても。
アンタはちゃんと俺の中に生きるから。




生キ抜ケ。



俺はアンタを愛していたよ。

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