記憶の欠片を積み木のように積み上げて

生まれたものはなんだったのかしら?


カタリと軽く、硬質な音が生まれ、

私は一人広い部屋で積み木遊び。

木で出来た、茶色のおもちゃが唯一の不変。

積み上げて
崩れて
積み上げて

繰り返し繰り返しリピートする。

何の為にやってるのか自分自身に問いかける。
答えはいつだって一つ。

判らない。

目的も判らないまま私は行動をトレースしリピートする。

何度も何度も何度も。

この広い部屋ですることがそれしかないから、と思えば少し気が紛れた。

自分を誤魔化して言い聞かせる。


全部の積み木が積み上がった。

完成したものを私は無感動に見上げてた。


気付かないままにこの部屋は時間が流れ
つるんとした肌は硬く皺がよっていた。

それはとても醜くて、とても厭だった。


私は叫んだ。
何を叫んだのか、今では覚えていないけれども。

私の声が反響し残響する。


ちっとも気付かなかったけれど、

出来上がった積み木は「       」だった。

緞帳が降り私は終わった、と悟った。
微笑んだ。

誰にというわけでもない。

それでも私の幕は降りたのだ。

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