終わってしまったようだった。

 

 
真っ赤、と言うにはオレンジに近く。

オレンジ、と言うには色んな色が混じっていた。
 


全てが燃えていた。

 
 
鮮烈なオレンジ。
その中に瑠璃色、竜胆、白緑ともつかない色が溶け込み、全てを燃やしていた。

 

壮絶な景色だった。
天も地も焦がすような炎が燃え上がり、燃えつくす。

圧し掛かってくるような圧迫感、壮大な程、鮮やかな絵。

幻想的で威圧的。

壮大にして圧倒。
 

 

二度と見れはしないだろう、こんな光景。
 
もう、現れてはくれないだろう。

 

 

 
一瞬で取り込まれてしまった。
 

燃える天地。
鮮やかに染まる。
けして二度とはない一瞬。

蠱惑で、常に心を狂わせる。

滲む色に心が惹かれる。

 

 
世界が終わったような光景に胸が弾んだ。

 

その炎で世界を燃やすなら、
そのまま
一緒に燃やしてくれればいいのに。

 

その清らかな炎で世界を清め、
燃やしてくれれば、いい     この躯ごと。

 
こんなにも鮮やかに世界に存在を刻む姿に燃やされるなら、きっと幸せで、眠るように死ねるだろう。

 
母の胎内のように穏やかに、何の不安も懐かずに。

 

薄ら寒い風と淡い闇が訪れる。

あの炎に燃やされる日、
それはいつ訪れるのだろう…?

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

日記内を検索