「あー…胃が痛い…。」

「馬ァ鹿。」

良く晴れた空、真っ青で雲の姿も見えない。
温かい風が眠気を誘う。

「だってさぁ………。なぁにが原因だったんだろぉねぇ……。」

「コーヒーの飲み過ぎ。睡眠不足。薬の過剰摂取。不定期な生活…エトセトラ。と。」

つらつらと並べられる言葉に俺はグゥの音も出ない。

「……………。」

「まだあるぞぉ?」

不満があるならまだ言ってやる。といった感じの彼にに俺は何も言えないでいる。
きっと不満そうな顔で俺は空を睨んでるだろう。

あぁ…意地の悪い彼の顔が目に浮かぶ。

「判った。俺が悪かったです、全てにおいて俺の責任です。」

「判ってるなら言うな。馬鹿。」

本当に意地の悪い…。
不満そうに鼻を鳴らす俺の横で満足そうにイチゴ牛乳を飲み「甘い」と不満げに呟く。

なら飲むな。

「…うるせぇ…。」

言い返すも覇気の無い俺の罵倒。
最初っから負けてるのだ、やる気もなくなるだろう。

「好きなモン飲み過ぎて胃ィ悪くしてりゃ世話ねぇよな…なぁ?」

聞かれても無視。
彼の言葉には明らかな嘲りのイロ。

いっぺん死んで来い。
ついでに糖尿病にでもなってしまえ。

「まァ当分は控えるんだな。自業自得。頑張れー。」

彼なりの励ましなのだろうか?
嫌味なんだか、励ましなんだか、まったくもって判り難いったらありゃあしない。
きっと彼女なんかが出来ても意思疎通の一つも取れはしないだろう。
そんな事を考えながら空に意識を移す。

…なんてイイ天気…。

「あー……ホントにいい天気だなぁ…。」

彼が小さく漏らした言葉。
ドキリと心臓が跳ねた。
まさか心の声でも聴こえたのだろうか?
浮かんだ思考を即座に消し、その上でもう出て来ないように脳の外へと蹴り出してしまう。

だって悔しいじゃないか。彼がそんな事が出来るなんて。
俺だって出来ないんだ。
彼に出来て、俺が出来ないだなんて悔し過ぎる。

悔しいから、

「……糖尿病にでもなって死んじまえ。」

殴られた。
おまけに瘤まで出来た。
痛い。

馬鹿らしい。
こんなにもイイ天気だと言うのに。

真っ青な空。
雲も無い青い、青い空。
生暖かい風。
暖かい日の光。

漂うイチゴ牛乳の匂い。
キリキリ痛む胃の痛み。
殴られ瘤の出来た後頭部。

シチュエーション台無しだ。

でも………納得できてしまう。

「……コーヒー飲みたい。」

「胃潰瘍になって死ね。」

俺らの日常、日々堕落。

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