ざぁざぁ。
ざぁざぁ。
あぁ雨だ。
雨だ 彼が 泣いている。
彼は泣くことをしない。
きっと自分に戒めているのだろう。
泣くな。
笑え。
と。
彼は泣くことを諦めたんだ。
泣いても 泣いても 何も変わらない。
どうしようもない。
誰も助けてくれない。
と。
知ってしまったから。
だから 彼は 泣かないんだ。
泣いてしまえばいいのに
泣いて 喚いて 縋りついて 足掻いて
みっともないくらいに 泣いてしまえばいいのに
寂しいのだと
辛いのだと
痛いのだと
欲しいのだと
誰かを求めたいのだと
救って欲しいのだと
泣いてしまえばいいのに。
ざぁざぁ。
ざぁざぁ。
雨が降ってる。
この雨は きっと 彼の流した涙なのだろうと
思いたい。
泣けない彼の代わりに
雨が
涙を流して
全て 流されて
彼の悲しみを
洗い流してしまえばいいと
思ってしまう。
煤けた雲から ざぁざぁ と。
雨が降る。
それは
泣けない彼の代わりに
流した涙のようで
とても 美しく
僕は
居るかもどうか判らない カミサマ に
願わずには居られなかった。
雨よ。
どうか彼の人に代わって
涙を
流してくれ
そうして
彼の人が
また
笑えるように
また
立ち上がれるように
と。
彼に
今、
僕の腕の中にある全てのものを
贈ってやりたい。
僕の出来る全てのことを
してあげたい。
カミサマ と小さく呟く。
彼の為に地上に雨を。
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雨の音って綺麗ですよね?
タタン タタン って一定のリズムで奏でる音が好きです。
ちょっと煩わしく思うときもあるんですけどね、好きです。
(の、割りには暗い詩書いてんな。とかツッコンではいけません)
雨上がりの蒼の空も好きですね。
露を含んだ花とか、うん。
好きです。
昨日からの雨にちょっとだけ思った事。
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